サミーのつれづれブログ

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help リーダーに追加 RSS 『バベルの塔』とはなんのことか?

<<   作成日時 : 2008/10/29 20:35   >>

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 ある青年たちの会合の席で、

A「君の夢はなんだ?」

B「僕の夢は、聞いて驚くなよ。僕の夢は資本金5000億円以上の大会社の、大株主兼社長になって、たとえて言えばエンパイア・ステート・ビルよりでかいスカイ・スクレーパー(摩天楼)を建てて、そのてっぺんから地平線の彼方を眺めながら、世界中の低開発国に経済援助をしてやることさ。」

A「ハッハッハ。そりゃ夢というものじゃなくて、ホラというもんだよ。まあ、バベルの塔さ、僕だからいいが他の人に言うと、こいつ、頭へきたか、と思われるぞ!」

B「バベルの塔か。君なかなかガクのあることを言うな。感心したよ。しかし、よしんばそれがバベルの塔で終わることがわかっていても、若者の夢はでっかいほどいいんじゃないか!」

A「うん、頭のなかみを疑われたり、人をわらわせるためにはな」
などと、実現不可能な企てについて、「バベルの塔」を引き合いに出して、論ずる人がある。



 そこでいったい「バベルの塔」とは何か、ということになったのだが、これは旧約聖書の創世記第十一章第一節から第九節にかけて載っている話しにもとづく言葉。



 ご存知の方も多かろうと想うが「バベルの塔」とは「シナル」の平地に建てられた未完成の塔の名である。英語のバベルBABELとは、ヘブライ語でやはりバベルBABHEL。これは類似音「バーラル(BALAL)」 (混乱させる)の意から、由来したものだという。



 詳しく書こうとすれば長くなるから割愛させていただくが、創世記によると、いわゆる「ノアのはこぶね」で有名な「ノア」の子孫は、その後急速に増えて、いろいろな地方、いろいろな分派にわかれ、偶像崇拝に傾いていった。ところが彼らは「全地は一つの言語、一つの音のみなりき・・・」(創世記十一ノ一)と伝えられているように、そのころ、どこでも同じ発音、同じ言葉を使っていたが、やがて「ミナル」という地に平野をみつけて、そこに住むようになった。そして彼らは、

 「さあ、レンガを作って、それをよく焼こう」と言い合い、「邑(まち)と塔とを建てて、その頂(いただき)を天に届かせよう。そしてわれわれの名をあげて、全地の表面(おもて)に散ることを免れよう」

 と企てた。
 がしかし、エホバ(ヤーヴェとも読み、旧約の神の名)は彼らの建てようとしている愚かな企てを空しくし、その傲慢を打ち砕くために、彼らの言葉を乱して、意志が通じないようにした。そこで、彼らは全地へ散り乱れてしまい、当然のことながら、邑(まち)を建設することはやめてしまった。という次第で、その建てかけの邑のことを「バベル」、つまりヘブライ語で「混乱」と呼ぶようになった。


 この物語から「バベルの塔」と言えば、一般に[実現不可能な企て]などの好例として用いられるようになったわけである。




 もっとも、以上の物語は、すでに書いたように旧約聖書に基づく解説であるが、これに、より客観的な照明を当てようとするならば、「バベルの塔」について、たとえば次のように書いている学者もある。

 [カルデア王国の支配階級はカルデア人であったが、被支配民は古い伝統をもったバビロニア人であった。王国の最盛時は治世四十年におよんだネブカドネザル王時代であり、バビロン市と、そのなかにある諸神殿、ことに最高神マルドゥクのエサギラ神殿を改築して荘厳な首都とした。

 旧約聖書の『バベルの塔』はマルドゥク神殿の聖域にある『天と地との基礎である家』と名付けられたジグラート(聖塔)とよばれる一建造物をさすものである。

 現存しているエサギラ神殿設計表によると、エサギラ神殿のジグラートは、一辺約九十メートルの正方形の区画に建てられた下から上へ七つのテラスをもち、高さ約四十五メートルのピラミッド型の建造物であった。頂上では、天文の観測がおこなわれたとも、神の『聖婚』の場所であったとも推察されている。
 
 遠くから望めば山のように見えた。これはのちにペルシア帝王のクセルクセスの命令で大部分が破壊された。(貝塚茂樹責任編集「世界の歴史T」四五一項以下)


 これによると、編著者がアンチ・キリストかどうかは知らないが、創世記の執筆者モーゼのえがく「バベルの塔」は、カルデア人がバビロンに建てた「天と地との基礎の家」の設計意図とはいささか異なるのではないか、という気がするが、さて真実ははたしてどうだったのであろうか?



 とにかく、いまや世界中の伝説や神話や史実などが、われわれ日本人の日常会話のなかに、自由に飛び出してくるような世相になった。これも、戦後わが国の出版界をふきまくった歴史書ブームの影響によるのか、あるいは一般に教育水準があがったことによるのか、のいずれかによるのであろう。

 「バベルの塔」―とにかく憶えておいても損にはならない。




                                                       Sammy−P


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